とびあがって足が 地面につく前に 空中でしんだ子がいた だから この子にただよう想像力は 空中でしか働かないのだ ある日 彼は 私たちのまわりにあらわれて 空中にあり 亡きおじさんの横顔を えがいた しかし自分のスガタは 両足を地面につけて えがくのだった 亡きおじさんは なにかしら苦しんでいるような 後悔しているような これは おじさんの今居る場所を あらわすのだろう しかし彼自身は まるで抽象的 にこにこ笑っている おとこの子の絵 この2枚の肖像画は いまも私の手にある