空中でしんだ子

モナドリーム/単夢譚_36

とびあがって足が
地面につく前に
空中でしんだ子がいた
だから
この子にただよう想像力は
空中でしか働かないのだ

ある日 
彼は
私たちのまわりにあらわれて
空中にあり
亡きおじさんの横顔を
えがいた
しかし自分のスガタは
両足を地面につけて
えがくのだった

亡きおじさんは
なにかしら苦しんでいるような
後悔しているような
これは
おじさんの今居る場所を
あらわすのだろう
しかし彼自身は
まるで抽象的
にこにこ笑っている
おとこの子の絵

この2枚の肖像画は
いまも私の手にある