ルーシー・オルドリンは八歳。 今日はおうちの居間で いとこの男の子二人としづかに遊んでいます。 ルーシーは 白や赤や青のローソクをいっぱいならべて 火をつけています。 ローソクが燃えつきると 次々とあたらしいのに火をつけます。 だけど、ルーシーの火をつけるローソクは さいごには青いのばかりになってしまいます。 どうして青が好きだかわからないけれど 青いろうそくが好きだわ ルーシーはそう言いながら 最後に赤いローソクを一本 洋ダンスのとってにくくりつけて火をつけました。 すると、それまでソファーで しづかにご本を読んでいた男の子が ルーシーにとりすがって 泣きじゃくりながら おかあさーん どうしてルーシーが好きだかわからないけど おかあさーんとよんぢゃうんだよ と泣きじゃくるのでした。 アメリカ物語。 この話はいつも オレンジ色の大きな時計が オレンジ色の家の屋根をやぶって ゆっくりと落ちるところから はじまります。