メリケンザクロ

モナドリーム/単夢譚_30

フロシマ駅中央のビルの屋上に建つ
ぶきみな塔

水の蓄えられた上層部分と
赤く輝く四本の柱とからなる

〈フロシマ市民は
常に水で頭の上を圧えられている〉

赤く輝く柱は
普段は暖房用であるが
一旦ことがあると
かぎりなく強く輝きはじめ
フロシマ全市民を
サツリクしてしまう能力がある……

普段の
暖房用に使われているときでも
この柱は
ぶきみに明るさを明滅させ
ために
傍らにあるものは
ノドがヒリヒリ痛みだし
不愉快な頭痛に襲われる……

これは
ひとつの都市に対する
政府の実験なのだ

フロシマ市民の間には

この装置を撤去する要求運動が
起こりかけているのだが……