フロシマ駅中央のビルの屋上に建つ ぶきみな塔 水の蓄えられた上層部分と 赤く輝く四本の柱とからなる 〈フロシマ市民は 常に水で頭の上を圧えられている〉 赤く輝く柱は 普段は暖房用であるが 一旦ことがあると かぎりなく強く輝きはじめ フロシマ全市民を サツリクしてしまう能力がある…… 普段の 暖房用に使われているときでも この柱は ぶきみに明るさを明滅させ ために 傍らにあるものは ノドがヒリヒリ痛みだし 不愉快な頭痛に襲われる…… これは ひとつの都市に対する 政府の実験なのだ フロシマ市民の間には 今 この装置を撤去する要求運動が 起こりかけているのだが……