さて みなさま 今ここに ギター以前の楽器 ルートと ヴァイオリン以前の楽器 ヴィオールの合奏をお届けできるのは 我々の喜びとするところであります …………そういいつつ彼は 1m余もあろうかという 長いルートを つまびきはじめた 背後の男も 細長いバス・ヴィオールの弦に 弓をゆっくり走らせる…… 藤紫色の音波が ゆったりと拡がってゆき 我々はだんだんと 馬に変わってゆくのであった。