この宇宙のどこかに
『夜の終わりの宮』があるという
そこは、あらゆる限定のないところ
いかなる運命(さだめ)も及ばぬ
系列の連鎖が始まる、その前の場所……
そこに
生命(いのち)が生まれた
生まれ出た生命は
未だ、自らの運命(さだめ)を持たず
ただ、“在るもの”としてだけ
そこに在る
夜の終わりの宮
しかし、そこは、同時に
定めなき定めの終わるところ……
生命は、そこから
「固有の世界」へと生まれたいと希う
そのとき……
生命には、全世界が与えられ
生命は、限定を自ら引き受けて
自らの世界の中に、生まれる
そして……