ケント紙に鉛筆, 180mm × 180mm, 2002年 / Pencil on paper, 180mm × 180mm, 2002.

この作品も元は色鉛筆画でした。絵はまったく変えていますが、絵に添えた文章を主体に、鉛筆画にしてみました。
 
自転周期と公転周期が一致している惑星
ここには
永遠の黎明の国と
永遠の昼の国と
永遠の夜の国と、そして
永遠の落日の国がある。
永遠の落日の国の王は、
永遠に沈みゆく太陽を
永遠に見つめ続ける。
この国では、
すべてのものが、
永遠に亡びつづける。
人も、風土も、歴史も、
決して訪れることのない夜に向かって、
止むことなく亡び、崩れてゆく。
永遠の落日の国の王は、
永遠に沈みつづける夕陽を、
ただただ永遠に見つめ続ける。
それのみが、
永遠の落日の国の王に残された
唯一つの役割なのだ。
永遠の落日の国の王は、
今もなお
永遠に沈まぬ夕陽を
じっと見つめ続けている。
永遠に訪れることのない夜を、
永遠に夢見つつ。
 
文章は、すべて古代中国の文字を自分流につくりかえて使用しています。絵の下に文章を描きはじめたのですが、途中で切れてしまったので、残った文章を上から描いています。