ケント紙に鉛筆, 180mm × 180mm, 2002年 / Pencil on paper, 180mm × 180mm, 2002.

この作品は、ジェームズ・チャーチワードという人の『失われたムー大陸』(大陸書房、小泉源太郎訳)という本に載っている「マヤの装飾文字」の一つを用いたものです。一見、潰れたトマトみたいに見えますが、これは、文字である、ということです(チャーチワードによれば)。意味は……
 
1 三つの突起部のあるこの文字は、ムー大陸を象徴する数字3を表わす(上部の3つの突起)。
2 三つの突起のある王冠は太陽の帝国ムーの皇帝の冠である(3つの突起の下にある王冠状のかたち)。
3 光線のない太陽、ムー国にふたたび光に訪れないことを示す(中心にある小円形)。
4 ムー国が沈み、その突端だけが僅かに現われている(小円の下の、左右に突起がある長方形)。
5 奈落、深い穴、淵などを表わす(左右に湾曲して大きく伸びる口のような形)。
6 ムー本土とともに沈んだ二つの陸地を意味する(下部の左右にある二つの小さな菱形)。
《解読》太陽の帝国ムーは奈落に沈んだ。今は闇の世界にとざされ、二度と光の差すことはない。ほかの二つの陸地も本土とともに消え失せた。ムー帝国の王冠はもはや全世界を支配することができない。
 
この「文字」、私はとても気に入ってしまって、いろんなかたちで作品に使わせてもらいました。これもその一つです。