輝く闇/コメント 7〜9

*7 クィディタス Quidditas 平凡社の『哲学事典』の記述は次のとおり。
『通性原理 [羅]Quidditas 個性原理に対する。同一種類の多なる個物に通ずる普遍性の面からみられた場合の本質。ドゥンス・スコトゥスによれば、このような通性原理は、個性原理によって収縮限定されてはじめて、完成された現実性たる個体となる。→個性原理』

*8 ハエッケイタス Haecceitas 平凡社の『哲学事典』の記述は次のとおり。
『個性原理 [羅]Haecceitas [英]Haecceity  ドゥンス・スコトゥスにより、通性原理に対して用いられた語。これにより普遍的本質は、はじめて個々の特殊な本質もしくは現実存在となる。すなわち個物の相違を構成するとともに、同一類に属する個々の存在を個別化する原理。トマス・アクィナスが個別化の原理を質料に求めたのに対し、かれがこれを形相の側に求めた点が対照的である。→通性原理』

*9 1965年に第一作目の『デューン/砂の惑星』を出版。特異で濃密な世界を構築してマニアに絶大な支持を受け、以後シリーズ化されて六作目まで出たところで、作者のハーバートさんがお亡くなりになった(1986年)。今でいうサイエンス・ファンタジーですが、このジャンルとしては、もしかしたら草分け的な存在?かもしれません。私が本作を読んだのは20代のときだったので、けっこう想像力を刺激されました。と同時に、物語の背後に果てしなく広がる正体不明の文化的な苗床のようなものを感じ、なんだろう?と不思議でしたが、今思うと、それはやはり、ヨーロッパとイスラムのアマルガム的ちゃんこ鍋……であったのかもしれません。このシリーズは、作者の息子さん(ブライアン・ハーバート)によって、今なお書き継がれているといいます。父フランクの第一作目に至る以前の話として、まずいろんなシリーズがでたらしいが、父のノートをもとにして、第七作目もつくったようです(ケヴィン・アンダーソンとの共著)。公式ホームページもあるようですので、興味ある方はどうぞ。(http://www.dunenovels.com/)