6つのエレメント/コメント 4 , 5

*4 酸素や窒素など「気体成分」はどうなるのか……ということですが、これらは、ある場合には「砂」に含まれ、またある場合には「水」に含まれることになるのだと思います。そして、「生命」を形成しているC、炭素も……。
「砂」と「水」がやりとりを重ねていく中で、「生命現象」は生まれてくるのではないだろうか……と、そんなふうに考えました。
「砂」と「水」は、「地球の自然」の2極であって、その間にさまざまなものが現れてくる……そう考えれば、「生命現象」さえ、今のように2重螺旋のDNAを持つものに限定してしまう必要はないのかもしれません。
Cより周期律表で一回り重いCaから成る「重生命」、逆に、Cより軽いHから成る「軽生命」というものも考えうるかもしれません。
そこでは、「時間スケール」そのものが大きく違っているのかもしれない。「重生命」の時間スケールはわれわれのスケールの何百倍、何千倍であり、逆に「軽生命」の時間スケールは何百分の一、何千分の一となるのかも。

*5 ここでちょっと思ったのが、「植物」を象徴するクロロフィルと「動物」を象徴するヘモグロビンの構造的類似です。
クロロフィルは、「ポルフィリン環」という化学的な「箱」の中にマグネシウムを入れ、ヘモグロビンの中のヘムは、同じ「ポルフィリン環」という「箱」の中に鉄を入れる……箱の構造はまったく同じでも、中に入る金属元素によって、「植物」になったり「動物」になったり……
そして、クロロフィルは大気中の二酸化炭素を取りこんで光合成により酸素と水素とC化合物(炭水化物)をつくり、ヘモグロビンは酸素を取りこんでC化合物(炭水化物)を燃焼させて二酸化炭素をもういちど空気中に送り出す。
「植物」と「動物」は、互いに正反対の働きをしながら、結果として空気中の二酸化炭素の量を「調整」しいていることになります。
では、空気中の二酸化炭素は、なにをコントロールしているのかといえば、これはやはり「大気温度」にほかならない。
「植物」と「動物」は、互いに恊働して大気温度の安定を図っているのではないか。
これに対して、地球の身体である「砂」の側のアプローチは火山爆発による大気中のダストのコントロールであり、「水」の側のアプローチは「海」の進退、すなわち氷河を形成して「水」を陸側に集める時期と、氷河が解けて「水」が海側に集中される時期です。
この二つは、「植物」と「動物」が恊働して行っている大気温度のコントロールを、さらに大きな周期でゆさぶる働きをしていると考えられる。
このように、「砂」、「水」、「植物」、「動物」の四者はそれぞれに絡み合いながら、結局地球に「呼吸」みたいなリズムを生んでいることになります。
また、鉄やマグネシウムという「砂」系原子が水素、酸素という「水」系原子の合成や分解に決め手となるという働きをしているのも面白い。
そして、その仲立ちをしているのが「ポルフィリン環」を形成して鉄やマグネシウムを閉じこめるC原子やN原子であるということも。